鉄の女も涙を流す?

質素倹約、小心翼翼の母方の役人一家眷属に、
たったひとり傑出した人物がいる。

子どものころから、小説家になる、とか詩人になるとか騒いでいた私に、
芥川賞ほしいときには、いつでもぼくに言っておいで、
と、親戚中でも何故か私だけをひいきにしてくれていた従兄弟である。

まさか、いくら政財界に顔はきいても、文学の世界にまでは、
その力も及ぶまいと、笑って聞いていた。
年下のくせに生意気だと思っていた。

それに、ひとに頼るのは嫌いだ。
彼だって自力でのしあがったのだから、
本当に頼られたらきっと軽蔑するに違いない。

どうも私には質素倹約小心翼翼優柔不断の血のほうが、ずっと濃いらしい。
ついうかうかと、年を重ねてしまった。

でも、その血がわが娘にまで及ぶとしたら、一大事だ。
私の遺言はたったひとつ、その従兄弟を見習いなさい、ということだ。

いざとなったら、利用したっていいとさえ思っている。
今後は、それとなくけしかけようと思っている。

小姑鬼千匹というけれど、外には7人の敵。
今ごろ気がつくなんて、私もめぐまれていたというか、ぼんやりしていたというか。

今日は「徹子の部屋」に、メリル・ストリープが出演していた。
「マーガレット・サッチャー鉄の女の涙」でアカデミー賞主演女優賞をした。

黒柳徹子もなんとなくうれしそうだった。
彼女も、生き馬の目を抜く芸能界をわたってきたのだ。

本物の強い女性はどこにでもいる。いるけれど、「鉄の」という接頭語がつくのだ。
ついたほうがいいかもしれない。偽の強い女性じゃはた迷惑だし。

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック